ミャンマー医療事情一般

2015-10-26

 ミャンマーの気候は,大きく次の3つに分けられます。

  • 暑期(3月~4月)…もっとも暑い季節です。熱中症や脱水に注意しましょう。この時期,紫外線の強さは最高になります。日によっては,紫外線インデックスが11を超える事もあります。(概ね2月中旬~5月中旬)
  • 雨期(5月下旬~9月下旬)…季節性インフルエンザや食中毒に注意しましょう。(年によって雨期明けは10月)
  • 乾期(11月~2月)…もっとも過ごしやすいシーズンです。

当地では,細菌性下痢症に容易に感染しますので,屋台などでの飲食や,加熱されていないものの外食,加熱されていても時間の経っている食物の摂取 は避けてください。飲料水のみならず氷にも気をつけてください。氷は使わないことが原則です。多くは,病原性大腸菌(代表的なのはO-157のような毒素 型),サルモネラ,カンピロバクター,腸炎ビブリオ,コレラ菌,赤痢菌,ノロウイルス,アメーバ赤痢などが原因となります。そのほか,汚染されたプールな どでの水泳,アイスクリーム,さとうきびの絞りたてジュースなどにも注意が必要です。

また蚊が媒介する病気としては,デング熱,チクングニア熱,マラリア,日本脳炎などがありますが,ヤンゴン市内では,デング熱の感染に気をつけてください。

なお当地では季節性インフルエンザは基本的に雨期の6月-9月に流行し,7月に大きなピークが有ります。したがって,予防接種(南半球対応用)は 5月-6月初旬までに終えておく事をお勧めします。加えて,乾期の10月-2月にも発生が観られますのでご注意ください。以前は,南半球対応用ワクチンし か購入できませんでしたが,近年は北半球対応用ワクチンの接種も可能となってきました。9月下旬から10月上旬に販売が始まりますので,できれば10月中 に接種が終えることをお勧めします。)

当地の医療事情ですが,ヤンゴンでは冠動脈造影やPTCAという冠動脈を風船で広げる治療,ステントという管を入れる救急処置ができる病院と専門 医は非常に限られているので当地での急性心筋梗塞重症例は,即死につながる可能性が非常に高いと言えます。こういった医療事情ですので,心筋梗塞など心臓 病の既往がある方は,当地への滞在・訪問は難しいと思われます。

また,当地の病院の設備,医療は先進国と比べて20年-30年遅れている印象が有ります。

日本のような設備や衛生システムの手術室をもつ私立病院もありますが,それらの病院には常時専門医師がいるわけではありません。多くの専門医は契 約ベースで診療時間が決まっています。富裕層を対象にした病院では,数週間に1回,シンガポールなどから医師団がやってきて,予約した患者(多くはお金持 ち)の治療を行っている所も有ります。

外国留学経験のある指導医クラスの優秀なミャンマー人医師達は,総じて疲弊している様です。

これらの医療事情より,当地の日本人が手術や集中治療を要する病気になった場合には,海外へ緊急搬送となります。(多くはバンコクへの搬送が多 い。)ただし,交通外傷や緊急手術等,応急的に当地で行わなければならないケースもあります。,最終的にバンコクや日本等へ緊急移送することを考慮して, 搬送費用も含めた海外旅行保険への加入(治療費,搬送費用併せて上限までの加入)をお勧めします。また,保険証券番号とパスポート番号は常に控えておき, 緊急時に備えましょう。もちろんそれらの原本保管場所も同行者や添乗員,家族など全員で把握しておいてください。患者さん本人しか知らないと言ったことは 避けましょう。このように当地滞在中は常に「備えあれば憂いなし」を心がけてください。

5 かかり易い病気・怪我

 ほとんどが経口感染症,飛沫感染症や蚊等の昆虫に刺されてかかる病気です。

  • (1)感染性腸炎:たいていの人が経験します。細菌性食中毒(サルモネラ,腸炎ビブリオ,大腸菌,ブドウ球菌,キャン ピロバクターなど),細菌性赤痢,アメーバ赤痢などがあります。このほか旅行での疲労,暴飲暴食,慣れない食べ物(ミャンマー料理は基本的に使い回しの油 を多く使用)が原因で起こる下痢などもあります。
  • (2)デング熱,チクングニア熱:雨期の5月から10月にかけてヤンゴン市内でも流行します。夜間だけでなく昼間に活 動するネッタイシマカに刺されないように配慮することが必要です。虫除けスプレー,蚊取り線香などを使って防御して下さい。時にデング出血熱に移行して死 亡する人もいます。安静と対症療法が大切です。
  • (3)性・血液感染症:エイズ,B・C型肝炎などがあります。行動には十分注意して下さい。
  • (4)マラリア:ヤンゴンやマンダレーなどの都市部で感染することは殆ど無いと言えます。地方へ行かれる方は蚊に刺されない様注意しましょう。(昆虫忌避剤・蚊取り線香・蚊帳の使用等,長袖・長ズボンの着用,冷房の効いた部屋で寝る等)
  • (5)熱中症:3-4月の暑期はかなり高温になります。昼間,できるだけ炎天下での行動は避け,水分を補給することが大切です。汗をかくと体内の塩分も失われます。スポーツドリンク等も併用して下さい。
  • (6)ダニ,蟻,ノミ,南京虫による刺咬:これらに刺されるとかなり痒みが強く,人によっては局所が腫れ上がることが有ります。高温多湿の気候はダニなどが生息しやすい環境です。防虫対策に十分気をつけてください。

6 健康上心がける事

  • (1)十分に火を通して調理したもの,ミネラルウォーターなど,安全なものを飲食してください。レストランであっても必ずしも安心はできません。
  • (2)蚊が媒介するデング熱やマラリアの他,血液や体液を介して感染する性感染症やAIDS,B・C型肝炎など,感染経路に注意してください。
  • (3)疲労をためないよう,また暴飲暴食などを避けるようにしてください。
  • (4)気分転換をはかり,ストレスをためないようにしてください。
  • (5)近年,自動車の数が増加し,交通事故も増えています。手術や輸血が必要となるような交通事故による怪我には十分ご注意ください。

7 予防接種

(1)赴任者に必要な予防接種

A・B型肝炎,破傷風,腸チフス(地方に出張することが多い方は狂犬病,日本脳炎)

(2)現地の小児定期予防接種一覧

ミャンマーの小児定期予防接種
予防接種の種類 1回目 2回目 3回目
BCG 6週
経口ポリオ 6週 10週 14週
DPT 6週 10週 14週
B型肝炎 出生時 6週 10週
(注)B型肝炎 6週 10週 14週
麻疹 9ヶ月 18ヶ月
MMR 任意
インフルエンザB 任意

(注)B型肝炎は出生時に接種できなかった児に対する代替えプラン

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

日本人の児童,生徒は現地の小中学校に入学できません。ヤンゴンには日本人学校とインターナショナルスクールがあり,どちらかに入学することにな ります。日本人学校入学に際し必要な予防接種や特別な接種証明は必要ありません。インターナショナルスクール入学にはDPT,ポリオ,BCG,麻疹,流行 性耳下腺炎,風疹,A・B型肝炎の予防接種証明が必要です。

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